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令和7年度入学式

学校長式辞

式辞
早咲きの桜がほのかに香り、いよいよ新しい季節の息吹が聞こえてきました。
躍動の春がいま始まるこのよき日に、多くのご来賓の皆様、保護者の皆様のご列席のもと、令和7年度宮城県気仙沼向洋高等学校入学式を挙行できますこと、教職員を代表して厚く御礼申し上げます。
また、高校生活への期待に胸を膨らませ、キラキラとしたまなざしの新入生を迎えることができましたことは、私ども教職員にとりましても、誠に大きな喜びでございます。

ただいま入学を許可しました、
情報海洋科 23名
産業経済科 34名
機械技術科 27名
専攻科 漁業科 1名
専攻科 無線科 2名
計87名の皆さん、ご入学おめでとうございます。
そして、学びの場として、この気仙沼向洋高校を選んでくれて、本当にありがとう。
教職員並びに在校生一同、皆さんの入学を心から祝福し、歓迎いたします。
今日からの3年間、この階上(はしかみ)の地で、希望にあふれ、楽しく活気のある学校生活を送ることを願っています。

さて、
本校は、地域産業を支える人材の育成を教育方針に掲げ、明治34年、気仙沼町立水産補習学校としてスタートしました。昭和23年に気仙沼水産高等学校となり、平成6年には気仙沼向洋高等学校に校名を改め、現在の3学科体制に改編しました。水産・工業の専門分野を学ぶため、最先端の実習環境を整備し、総合的な産業教育を展開する、今年で創立125年を迎える伝統校であります。
本校の校訓は、「尚志」、「創造」、「力行」を掲げています。
「尚志」(しょうし)とは、志を高くもつこと
「創造」(そうぞう)とは、新しいもの作り出していくこと
「力行」(りっこう)とは、努力して行動することです。
これらが 長年の変わらぬ教えであり、同時に、時代が変化しても柔軟に対応できる力を育む教えであります。 この校訓のもと、本校は、常に産業界を見据え、新時代の技術を取り入れた教育を展開してきました。
14年前に起きた 東日本大震災では、校舎をはじめとする学校施設に大きな被害を受けました。そのような中、本当にたくさんの皆様から、有形無形のご支援を賜り、教育活動を維持することが出来ました。この事実と感謝の気持ちを、私たちは決して忘れてはなりません。
現在、被災した旧校舎は、「震災遺構・伝承館」として生まれ変わり、震災の記憶や教訓を、後世に伝える役割を担う施設となりました。本校は、地域の皆様と連携しながら、今後も防災教育を推進してまいります。

新入生の皆さん、あなた方の これからの人生には、大きな可能性が広がっています。
そして、少子化の時代、あなた方は日本の宝といえます。ひとりひとりが大切な存在であり、多様性の中で、たくましく生きていってほしいと考えます。
「夢なき者に成功なし」という言葉があります。これは、明治維新で重要な働きをした、多くの若者に影響を与えた、吉田松陰(よしだ・しょういん)が唱えた言葉です。
いつの時代でも 成功した人たちは、みな「夢」を持っていました。全ての成功は「夢」を持つことから始まります。「夢と理想をもち、計画を立て、自ら実行する」という、日頃の努力と挑戦を続け、自分の手で夢をつかみ取ってください。

保護者の皆様、お子様のご入学を、心よりお祝い申し上げます。私ども教職員は、お預かりいたしました、大切なお子様の成長と夢の実現に向けて、全力で支援してまいります。
お子様の学校生活が安心、安全で実り多いものとなりますよう、ご家庭と学校が手をたずさえて歩んでいきたいと考えております。
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

結びに、新入生ひとりひとりの個性が、このキャンパスで花開き、互いに認め合い、心を寄せ合いながら、大きく飛躍することを祈念して、式辞といたします。

令和7年4月8日  
宮城県気仙沼向洋高等学校 校長  杉山秀樹