校長のつぶやき(H31年度)

気仙沼・本吉地区生徒会サミットを東日本大震災遺構・伝承館で開催

 「気仙沼・本吉地区第2回生徒会サミット」が1月30日(木),東日本大震災遺構・伝承館で開催されました。気仙沼高校,本吉響高校,志津川高校,気仙沼向洋高校の生徒会の代表者が出席(事務局は気仙沼向洋高校)。この日のサミットでは,各校の一年間の取組についての情報交換がなわれ,さらに,震災・防災について見学や協議する企画がありました。

 まず,各校の生徒会の取組(生徒会総会の状況など)について報告あり意見交換を行った後,伝承館を皆で見学しました。ガイドは,本校の生徒指導部長・小野寺三男教諭が行いました。
 その後,研究協議を実施。協議のテーマは『震災からもうすぐ9年,風化させないために高校生にできることは何か』でした。この協議を,伝承館で行われることに大きな意義があります。
 階上中学校の皆さんが伝承館で語り部活動をしています。素晴らしいことです。高校生も各校の実情や特色に合わせていろいろと考え取り組んでいることでしょう。さらに学校を越えて話し合って,活動の輪が広がれば素晴らしいと思います。実際,この日は,活発な議論が展開されました。

 さて,「風化」の意味について,ある防災関係のプロジェクトリーダーの方が次のように述べたそうです。

 「風化とは,忘れ去ることではなく,もうできることはないとと思い込んでしまうことである」。

 忘れ去ること自体が「風化」なのですが,単にそれだけでなくて「やれることは,もうやったかな」と思い込んだり,「これ以上,することを考えつかない」という状態になること・・・。それは安易で危険なことだ,それこそ「風化」ということではないでしょうか?

 大切なのは,「今の時点で,何が課題で,どのようなことで,どのような人が困っているのか。自分に何ができるか」を考えることです。直接自分が体験していない出来事を先人から聞き取り,受け継ぎ,後生に伝える。私たちの10年後だけでなく,これから生まれてくる世代までも想定した取り組みのリレーなのだろうと思います。
 一緒に考えていきましょう。