校長のつぶやき(H31年度)

学校再開から一ヶ月,・・・活気みなぎる夏がやって来ました!

 学校再開から一ヶ月経過しました。軌道に乗り,生徒は元気に逞しく学校生活を送っています。校内は笑顔で溢れ,活気がみなぎっています。教室での授業・各種実習は順調に進み,放課後の部活動も充実しています。この夏は3年生にとって最後の部活動期間です。これから,競技種目ごとに,県大会(代替大会)が始まります(7・8月)。心を焦がす熱い夏ですね。もちろん,今月は考査があり,まずは勉学にしっかりと取り組むことが最重要ですし,進路に向けた準備は「待ったなし」です。高い志と意欲をもって邁進してほしいと願います。

 さて,本校の最新ニュースとしては,東日本大震災の語り部クラブ「KSC(koyo Story teller Club)」が発足したことがあげられます。7月1日(水)の放課後に,有志生徒31名が東日本大震災遺構・伝承館に赴き,佐藤克美館長さん,伝承ネットワーク代表の近藤公人さん始め4名の皆様から指導を受けました。7月5日(日)には再び伝承館にて,階上中学校さんの語り部活動の練習会に本校生徒が参加させて頂く予定です。階上中学校の皆さんから,真摯にしっかりと学んでほしいと願います。がんばりましょう!

  最後に,いろいろな活動に取り組むに当たって,生徒に心掛けてほしいことがあります。まずは,興味のある企画に「参加」することが大きな第一歩ですが,できれば「参画」するという意識を持ってほいいのです。
 「参加」と「参画」は同じような意味ですが,実は違いがあります。
   ・「参加」とは,すでにある企画とか会に加わるというニュアンス
   ・「参画」とは,計画段階から関わるニュアンス

 「参画」は,「参加」に比べて,「より積極的に動いて加わっている」 という意味を持ちます。「主体性」が強く感じられる言葉です。実際には,「計画段階から関わる」ということが,いつでもできるわけではありませんが,「そのような意識」で取り組んでほしいということです。

 全ての生徒諸君にとって,充実した夏になりますように!

6月1日 今日から学校再開

 今日から学校再開です。1校時目は放送による全校集会を行い,私からは,次のメッセージを読み上げました。
 

【あいさつ】

 皆さんおはようございます。今日から本格的にスタートします。新型コロナウイルス感染拡大という100年に1度のレベルの世界的な危機が続いてきました。感染予防を行って命と健康を守るため,皆さんは,ここまで,社会のルールに基づいてよく頑張ってきたと思います。県内は落ち着いておりますが,他県では第二波の兆しが見られる地域もあります。これからも油断することなく,健康に十分留意しながら学校生活を送ってください。
  学校生活のスタートに際しては,急いでダッシュするのではなく,「よい形」で「着実」に「丁寧」に取り組んでいきましょう。「やっと活動できるぞ」という開放感もあろうかと思いますが,くれぐれも慎重に,まずは,「新しい生活様式」を身に付けていきましょう。衛生意識を高めるとともに皆さん自身の社会的なマナーを,より洗練させることが大切です。
  さて,これまでなかなか友達や知人に会えない期間が長く続きました。皆さんはどのように過ごしていたでしょうか。読書は進みましたか。新聞,テレビ,ネットなどの報道を見ますと,「物理的に離れていても,心を繋ぐことが大切である」ということについて多くの人々が意見を述べ共感しています。一方で,SNSでの誹謗中傷や差別的な内容の書き込みが社会問題となっています。あってはならないことです。大切なことは,人の気持ちを思いやること,汲み取り理解することです。このことを強調します。医学博士・解剖学者の養老孟司先生はかつて,「教養とは人の気持ちの分かることである」と言いました。そのためには本を読み,知識だけでなくいろいろな考え方や感じ方を知ることが大切です。読書で新しい世界を知り,人の気持ちを理解できる広い意味での「読解力」を養いましょう。人生に必要なことであり,お互いが気持ちよく有意義に暮らしていくことができるはずです。
  これから学校生活が本格化します。先ほど話したように始めはあわてずじっくりスタートしてください。部活動も段階的に進み本格実施に向かっていきます。ただし,教育活動全般において,例年の計画とは異なる部分が出てきます。どうか,理解してください。その上で,高校生らしい,明るく楽しく,けじめのある学校生活を創り上げていきましょう。
  3年生の皆さんにとっては,今年は進路を決める正念場です。また,部活動の期間は短くはなりますが,限られた時間を有効に使って意欲的に取り組んでください。2年生の皆さんは中堅学年として3年生と1年生をつなぎ,自覚を持って諸活動を担っていく立場です。そして1年生の皆さん,先生方や先輩の指導のもと,基礎基本を大切にし
  全学年の皆さん,大きな夢や目標を持ちましょう。先輩,後輩,同級生と協力しあい,大いに学びましょう。先生方は応援しています。しっかり取り組みましょう。              以上でお話を終わります。

3月11日を迎えるにあたって

 本日,3月11日で東日本大震災の発生から9年が経過します。9年前のこの日,震災により多くの尊い命が失われました。この震災で犠牲となられた全ての方々に対し哀悼の意を表するため,地震発生の時刻(午後2時46分)に合わせ職員一同,1分間の黙とうをいたします。
 「3月11日」は,本校にとって特別な意味を持つ日です。本校は被災校であり,震災の時は本当に大変な苦労がありました。当時を知る職員の胸中にはいろいろな思いがあります。本校の復旧・復興に際しましては,県内外のたくさんの皆様からのご支援がありました。そして,生徒,職員,関係者の皆様が一丸となり,困難を一つ一つ乗り越えながら歩んできました。
 「震災を風化させないため,そして,学校や地域を活性化させるために何ができるのか」を考える「決意の日」として,今日一日を過ごしたいものと思います。

3月1日 令和元年度卒業証書並びに修了証書授与式

 新型コロナウイルス感染症の影響が学校教育にも及んでおります。全国的に卒業式は縮小傾向で実施されていますが,本校も卒業生(高校生),修了生(専攻科),保護者,職員のみによる式といたしました。今回につきましては,1・2年生は不参加(代表生徒1名のみ参加)で,ご来賓には大変恐縮でしたがご遠慮頂いた次第です。また,全員がマスク着用,会場の椅子の間隔も出来る範囲で広げるなどの対応をしました。
 規模が縮小されたものの,卒業生は明るく元気であり,活気ある盛大は式となりました。2年生代表の送辞は,先輩をリスペクトしつつ力強く鼓舞するかのような熱いものでした。卒業生の答辞では,後輩への優しい心遣いと,後輩の活躍,本校の発展に対する大きな期待が語られました。先輩・後輩の心温まるメッセージ交換でした。保護者の代表の方からも温かく素敵なお話を賜りました。
 とても素晴らしい式だったと感動しております。卒業生には,「尚志,創造,力行」の「向洋三心」を胸に,大きくはばたいてほしいと願います。 卒業生の未来に幸あれ!

産業経済科2年生 商品開発 成果発表会

 2月3日(月)産業経済科2年生の「商品開発」の授業において「令和元年度 商品開発 成果発表会」が行われました。今回で5回目となる企画で,多数のご来賓をお迎えしました。一般社団法人i.clubの小山悠様,神田大樹様,株式会社キクチ巴商事「お菓子の花子」の菊地信雄様,株式会社男山本店の菅原昭彦様,道の駅大谷海岸の小野寺正道様,気仙沼市産業部商工課の齋藤航様,気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館の佐藤克美様にお越しいただきましたまた,この日は,フィールドワークで東北にお越しの青山学院大学・黒石いずみ先生とゼミの学生の皆さんにもご参加いただきました。ご多用のところ皆様本当にありがとうございました。
 さて,これまでの授業を振り返りますと,前半は,ゲストティーチャーであるi.clubの神田大樹様から,「商品開発の作法」「イノベーション」を中心に大切なエッセンス,具体的な取り組み方などをご教示いただきました。また,地元の講師の皆様には,気仙沼の歴史・文化について分かりやすく興味深いお話をいただきました。漁師町における酒造,酒粕の食文化,「もったいない」の発想によるアイディア料理「あざら」の誕生など,地元愛を感じる講義で,生徒にはとても新鮮であったと思います。そして,酒粕スウィーツの商品化は,「お菓子の花子」の菊地信雄様にお願いして懇切丁寧なご指導をいただき,生徒はここまで頑張ってまいりました。①地元愛,②地元の外の人の新鮮な視点,③若者のユニークな発想と情熱によって,今年度の新商品「酒粕マドレーヌ」が誕生したのです。皆様本当にありがとうございます。
 この日は,一年間の学びの成果を,集大成として生徒がいきいきと発表しました。皆,プレゼンにはだいぶ慣れてきたと感じます。成長しました!最後に,ご来賓の皆様お一人お一人から,とても貴重なご意見をいただき,次年度への新たな展望が開けた心持ちとなりました。これが,地域連携のすばらしさであると改めて実感いたしました。

  充実した豊かなひととき。感動しました!

気仙沼・本吉地区生徒会サミットを東日本大震災遺構・伝承館で開催

 「気仙沼・本吉地区第2回生徒会サミット」が1月30日(木),東日本大震災遺構・伝承館で開催されました。気仙沼高校,本吉響高校,志津川高校,気仙沼向洋高校の生徒会の代表者が出席(事務局は気仙沼向洋高校)。この日のサミットでは,各校の一年間の取組についての情報交換がなわれ,さらに,震災・防災について見学や協議する企画がありました。

 まず,各校の生徒会の取組(生徒会総会の状況など)について報告あり意見交換を行った後,伝承館を皆で見学しました。ガイドは,本校の生徒指導部長・小野寺三男教諭が行いました。
 その後,研究協議を実施。協議のテーマは『震災からもうすぐ9年,風化させないために高校生にできることは何か』でした。この協議を,伝承館で行われることに大きな意義があります。
 階上中学校の皆さんが伝承館で語り部活動をしています。素晴らしいことです。高校生も各校の実情や特色に合わせていろいろと考え取り組んでいることでしょう。さらに学校を越えて話し合って,活動の輪が広がれば素晴らしいと思います。実際,この日は,活発な議論が展開されました。

 さて,「風化」の意味について,ある防災関係のプロジェクトリーダーの方が次のように述べたそうです。

 「風化とは,忘れ去ることではなく,もうできることはないとと思い込んでしまうことである」。

 忘れ去ること自体が「風化」なのですが,単にそれだけでなくて「やれることは,もうやったかな」と思い込んだり,「これ以上,することを考えつかない」という状態になること・・・。それは安易で危険なことだ,それこそ「風化」ということではないでしょうか?

 大切なのは,「今の時点で,何が課題で,どのようなことで,どのような人が困っているのか。自分に何ができるか」を考えることです。直接自分が体験していない出来事を先人から聞き取り,受け継ぎ,後生に伝える。私たちの10年後だけでなく,これから生まれてくる世代までも想定した取り組みのリレーなのだろうと思います。
 一緒に考えていきましょう。

 

地域防災リーダー育成のための視察

地域防災リーダー(生徒)の育成を目的として,県外視察を行いました。
  1.日 時:令和2年1月15日(水)~18日(土)
  2.行き先:広島県,岡山県,兵庫県
  3.参加者:校長,教諭2名,生徒6名(1年生4名,2年生2名)                                  
 

  【1月15日】   広島ロイヤルライオンズクラブ様と交流。これまでに多大なるご支援を賜り,交流を重
        ねて参りました。昨年10月に防災備蓄倉庫を寄贈頂きまして,その御礼と活用状況の報
        告をいたしました。  

  【1月16日】   午前中は,広島原爆ドーム,平和記念資料館を見学し平和学習に取り組みました。私た
        ち一人一人が平和構築に貢献できるように努力していくことが大切であると改めて深く胸
        に刻みました。
         午後は,岡山県に移動。倉敷市立真備綾南高等学校と交流しました。両校の活動紹介,
        ワークショップ「震災時の避難行動」などを行い生徒同士で仲良く交流しました。本当に
        ありがとうございました。真備綾南高等学校は平成30年7月の西日本豪雨で被災し,そ
          こから一生懸命に復旧・復興に取り組んだ学校です。そして,地域貢献に努めてふる里を

        元気にする取り組みをしています。本校とは昨年度から交流しています。        

【1月17日】   神戸市で「1.17の集い」に参加。その後,淡路島に移動し北淡震災記念公園で見学。
        阪神淡路大震災について,自然災害発生のメカニズム(野島断層等)や,震災当時の地域
        の方々の防災活動などについて学びました。
                  午後は,兵庫県立淡路高等学校と交流。両校の活動紹介,ワークショップとして「防災
        ポシェットづくり」を学びました。同校は,阪神淡路大震災の教訓を受け継ぐ防災教育を
        行っており,地域との連携も盛んです。総合学科の特色を生かして「ARCHプロジェク
        ト」などのユニークで先進的な取り組みを行っています。参考にしたい内容が満載です。
        教員,生徒ともに感銘を受けました。
  【1月18日】  文化財見学,移動,帰着。

    ※ 実際に現地に赴いて見て聞いて学んだことには重みがありました。今回の視察の内容や学び取った
  ことについては,参加した代表生徒6名が3月18日(水)に校内発表会で全生徒に伝達する予定で
  す。改めて全校生徒で防災の意識を高め,知識を深め,経験の機会を増やし,地域の方々や県内外の
  皆様と交流の絆をさらに繋いでいきたいと考えております。

 

 

 

1月7日(火) 授業スタート

 令和2年はどんな年になるでしょうか。東京オリンピック・パラリンピックが開催される歴史的な年になることは確かです。活気ある話題や出来事が続くことを願いたいですね。一方,地球温暖化など環境問題が世界的な問題となっていて,「持続可能な世界の実現」「SDGs」などについて,今年も議論が進むものと思われます。私たち一人一人が社会の一員として考えいくことが大切ですね。

 さて,授業開始日の全校集会で,生徒には「今年の目標をしっかり立ててほしい」と話しました。学習,部活動,進路等で各自の目標があるはずです。
 そこで,目標の立て方のコツについて,脳科学者の茂木健一郎さんのアドバイスを紹介します。「難易度を調整せよ。易しすぎれば退屈する。難しすぎれば無力感にとらわれる。自分が全力で挑戦してクリアできるような目標を立てよ」。

 一方,イチロー選手は別の言い方をしています。「小さいことを重ねることだけが,とんでもないところへ行くただ一つの道である」「夢は近づくと目標に変わる」。

  最後にもう一つ。サンテグジュペリの言葉です。「計画のない目標はただの願い事である」。

 気をつけなければなりません。願い事で終わらないように,しっかり計画を立てて取り組みましょう。

気仙沼市立階上中学校区「志教育実践発表会」が開催されました。

 12月18日(水)に,「令和元年度 宮城県教育委員会指定 志教育事業(推進地区指定)気仙沼市立階上中学校区 志教育実践発表会」が本校体育館を会場として開催されました。本事業は「小学校,中学校及び高等学校が連携し,地域とのかかわりを通して,地域社会に貢献できる創造性豊かでたくましい児童・生徒を育成する」ことを目標としています。
 今回は「つなぐ・むすぶ・つたえる ~美しい地域とともに~」というテーマで,階上小学校,階上中学校,気仙沼向洋高等学校が連携して,日頃の教育活動の成果を発表しました。内容としては「防災学習」と「異校種間交流」を中心に据えたものとなりました。宮城県教育庁,気仙沼教育事務所,気仙沼市教育委員会,階上地区の皆様,PTAの皆様,地域の小中高校の先生方のご参加を頂き,盛大な発表会となりました。
 児童・生徒の発表はポスターセッションの形式で各グループが活発に取り組みました。小学生は「気仙沼の産業」を,中学生は「防災教育」「地域交流」を中心に,高校生は主に「異校種交流」について発表しました。中学生のグループの中には,寸劇や紙芝居を取り入れた発表もあり会場は活気に満ちました。児童生徒が生き生きとして発表する姿を見て本当に嬉しく感じた次第です。
 最後の全体会では,ご参加頂いた皆様からご感想やご意見を頂き有意義な時間となりました。とても貴重な企画だったと思います。今後とも階上地区の連携が発展し,さらに他地区との交流も盛んになっていくことが大切であると考えます。

 

PTA研修旅行を実施

 12月7日(土)にPTA研修旅行を実施しました。実は10月12日(土)に行う予定だったのですが台風19号の影響で取りやめになっていたのでした。この度,旅行の規模を小さくして「改めて地元を知ろう」というコンセプトで再企画したものです。参加者は20名ほど。
 まず,震災遺構・伝承館着を改めて見学しました。学校として防災教育に力を入れておりますが,PTAとしても意識をさらに高めていきたいと思います。また,地元産業の見学として今回は男山本店(酒造会社)を訪問しました。気仙沼における酒造の歴史や製造工程などいろいろなお話を伺うことができました。(ちなみに,本校では産業経済科の授業において,酒粕を使用したスウィーツの商品開発に取り組んでいます。これは,気仙沼の酒造りや酒粕の食文化に着目した企画です。)